スクールウォーズ2
ここがムカつく!

2007/9/1

このコーナーでは、1いろいろと変なシーン・設定の多いスクール☆ウォーズ2で、今考えてみてもここは納得いかんというとこを集めました。

1.ドラマそのもののあり方について

駆け出しのタレントを売るという魂胆ミエミエ!

 前作と比べて商業的な意図がミエミエだった。
前作はあくまでストーリーで勝負していたが、本作は毎回主人公が交代する「金八先生」のようになって、物語を通してのつながりが見られない部分が多かった。
当時無名の駆け出しタレントを売ろうという魂胆ミエミエだったが、現在これがきっかけでメジャーになったといえるのは、保坂尚輝と島崎和歌子の2人。
全く出世した人がいないと言える前作と比べれば確かに多いかもしれないが(松村雄基はその前の大映ドラマ「不良少女とよばれて」でも出演していたので、スクール☆ウォーズでブレイクしたとは言えない)。

90年代から始まる「スポンサー至上主義」にはまるな!

 90年代から顕著に見られるタイアップ現象がここでももれずに出ていた。
特に練習着を含めてユニフォームの胸のところにはスポンサーであるUMBROのロゴマークがついていた。
当時UMBROについて知らなかった私は、光成学園のマークかとずっと勘違いしていた。ここらへんでも前作と比べて冷めてしまう。

2.学校を悪者扱いするな!〜要するに、少年院入りは、ちょっとした道の誤りからだったらしい

秋本剛(咲輝)の場合

 かつてはサッカーをやっていた秋本は、試合でのレギュラー選抜の実態が、部員の父母からのコネや賄賂によって決められていることを知り、非行に走ったらしい。
しかし、本当にそんなことしている学校あるのか。
監督の好き嫌いはあるかもしれないが、普通だったら「勝つ」ための布陣を考えるのが本来のスポーツマンシップ。
こういう経験をした人いるのか。これはごくまれなケースだろう。

新田明(保坂尚輝)の場合

 新田は中学時代から登校拒否をしていた。
そして、先生方が新田の家にやってきて、部屋にこもっている新田に向かって「無理矢理学校に行かせたりしないから扉を開けろ」と言われ、開けたとたんに先生方に押さえ込まれ、無理矢理学校に行かせようとした。
そこで新田は「あいつらは登校拒否しているしている生徒が受け持ちのクラスにいると、自分の教師としての評価が落ちるからああいうことをするんだ」と言っていた。
確かに無理矢理学校に行かせるのはまずいが、評価の問題で保身からそういうことをする教師が果たしているのか?

河北高校生徒の場合

 本校(河北高校)との練習試合で、確か本校まで行って試合をした時、前半は光成学園がリードしていたものの、ハーフタイムが終わって、後半終了前に、河北高校のラグビー部員が「お前らの中で、大学にいける奴がいるのかよ」とか言ったことにより、ショックを受けた光成学園ラグビー部員は後半になると試合の流れがガラリと変わり、逆転負けをしてしまうことがあった。
河北高校の小川監督(元法務省官僚。俳優は倉石功)は、このことを知って、部員を叱ったのはよかったが、こういうふうなことを言う奴らは当然ながら許せない。
しかし、こういうことを放送することによって、世間一般では少年院生に対し偏見を持っていると印象づけられてしまう。
 これは学歴差別を強調しすぎるドラマなどでも見られる現象だが、そういう偏見を持っている人はごく少数で、多くの日本人はそんな偏見など持っていない。
我々視聴者を馬鹿にしないように。

3.その他

少年院を美化しすぎ!

 滝沢賢治も初回から少年院生について、少年院生を非難する妻節子に対し「それは偏見だ。彼らも更正のために努力している」といった趣旨の発言をしているが、この発言がこの物語の一番いいたいところに思えてならなかった。
 ラグビー部員たちが花園に出発するとき、他の光成学園の生徒達はみんなで部員達に対し、自分達少年院生に対する偏見をなくすよう頑張ってくれと励ますシーンもあった。

 いわゆる差別問題として少年院を扱っているのか?

男女差別や部落差別は、はっきり言ってけしからんことだと思うが、少年院生に対する差別とは次元が違う。
少年院に送られるような行為をしてしまった以上、彼ら自身に責任があり、少年院を出ても、それから長い間、その暗い過去を背負いながらも、社会の一員として努力していかなければならない。
ある意味そういう過去を背負ったことによる「差別」はある程度自認しているだろう。
本人の更正の仕方次第で、その差別は解消されるはずである。
逆にスクール☆ウォーズ1の水原のように、出所しても変わらない人もいるが。
 てなわけで、少年院は本来入るべきところではない。
だから美化するのはおかしい。
やはり入らないようにすることが大切だ。

年明けていきなり最終回になるな!

 1990年秋にスタートしたこのドラマは、視聴率が良くなかったのか、設定に無理が生じ、一部から非難されたのかわからないが、年末の予告編でも最終回のことは告知せず(と思う)に、いきなり91年最初の放送で最終回になった。
内容も無理矢理終わらせたような展開でお粗末極まりなかった。
前回放送で花園出場が決まり、最終回は1回戦で負けて、その後部員は更正が認められ、全員出所(だったらみんなラグビー部に入りたがるよな、これから)となり、秋本がわざとらしく沢村の墓前で自殺を図るも、これまたわざとらしく賢治が止めて、その後みんなでそれぞれの人生を生きていくという形で終了。
あまりにわざとらしすぎる終わり方で、放映前の期待を裏切られ、当時私は大学受験を控えていたのだが、これを見て冷めてしまい、第一志望に落ちた原因となった(わざとらしい書き方だ)!?

視聴者を無理矢理感動させようとしてはいないかい?

 視聴者を無理矢理感動させようという演出が目立ったのもこのドラマの特徴。
中でも沢村洋子(川越美和)が死ぬシーンは、まさにそれを狙ったのだろうが、全く感動しなかった。
前作のイソップの死を思わせたかったのだろうが、さすがにそう短絡的にはいかなかったようだ。
少し片手を挙げてから、バタンと落として死んでしまうシーンは、わざとらしいのなんの。そうやって死ぬ人って本当にいるのか?

ストーリー中の清水教官はスクール☆ウォーズ史上最大の極悪人!

 清水教官(石橋正次)の極悪ぶりは、シリーズ2作中でも群を抜く。
ラグビー部をずっと毛嫌いし、賢治といつも衝突していたが、その後、法務省に勤める小川を、(確か)少年院の外で秋本と沢村をこっそり会わせたことを法務省にチクリ、やめさせてしまったところがひどい!
「俺はあいつを法務省やめさせてやるぞ」と宣言していただけに悪質だ。
 確かに小川はまずい行為をしたのかもしれない。しかしスクール☆ウォーズシリーズの登場人物は、悪い人がいても、一線を越えるはずがないと信じていた。しかし、こいつはその一線をも越えた。
彼は人情もなければ後悔もない、ターミネーターみたいな男だ。
 最終回あたりで賢治と和解し、花園1回戦を終えて「一生懸命やった」とたたえるが、そんなことを言ったところで、あの罪は消えないぞ!もちろん役の話で、石橋正次さんには全く恨みはないです。

私が部員なら、こいつらにはむかつく!

 いい年頃の少年院生達にとって、周りに女の子がいないことは、とてもつらいことだと思う。
ところが吉川・秋本・左山はその彼女のことをよく話題にし、中でも左山は清水教官の娘と「フェンス越しの恋」をしていた。
 私が当時、ラグビー部にいて、彼女もいなかったら、そんな風景を見て「こいつすげーむかつく」と嫉妬していたに違いない。
私は男子校出身だからかもしれないが、男だらけの環境で、そういう奴がいたら結構内心で嫌われるはず。
 特に秋本の彼女沢村は、光成学園ラグビー部のマークを作り、ユニフォームにそれがつけられることになったが、部員の中には「なんでおれが奴の彼女が作ったマークのついたユニフォーム着なくちゃいけないのか」と怒る者はいなかったのだろうか。